≪解題≫
【史料種別】 特殊蒐書 |
【蒐書名】
諸新聞切張物(西南事件関係)
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【解題】
本史料は、西南戦争に関する記録の編纂を命じられた修史館が、これを「征西始末」としてまとめるにあたって、蒐集・作成した編纂材料の一つである。明治10年以降の新聞記事のなかから西南戦争に関する記事を切り取り、各社の新聞ごとに冊子に貼り付けた現代でいうスクラップブックである。修史館が独自の蒐集によって集めた編纂材料については、同館で複数回にわたり目録が作成された。これらの目録のなかで明治13年ごろの『西南事件記録目録』(4140.7-22)に「諸新聞切張物」として本史料は記載されている。 具体的には、「東京日々新聞雑報」、「報知新聞」、「朝野新聞新報」、「朝野新聞西報」、「東京曙新聞」、「東京曙新聞雑報」、「東京曙新聞戦地実報」、「兵事新聞」、「兵事新聞戦地郵報」、「朝野新聞戦地郵報」、「報知社戦地直報」、「将校履歴」、「福地源一郎 戦報採録」、「南波正康/久保田貫一 戦報採録」、「賊徒履歴」、「賊徒口述」の記載があり、本所にすべて現存している。 諸新聞切張物(スクラップブック)は、これらの記事のなかから抜書きされ、さらに『日々新聞鈔』(4140.7-135)、『報知新聞鈔』(4140.7-133)、『朝野新聞鈔』(4140.7-134)、『東京曙新聞鈔』(4140.7-14)としてまとめられた。本史料はこれらの鈔物の底本である。 参考文献、松沢裕作「明治太政官における歴史記述の模索―修史館編「征西始末」をめぐって―」(『東京大学史料編纂所研究紀要』第21号、2011年3月) |