所蔵史料目録データベース
≪解題≫
【史料種別】
特殊蒐書
【蒐書名】
史料稿本
【解題】
 『史料稿本』は『塙史料』を引き継ぐものとして、修史局が1876年に編纂をはじめたものである。正史編纂の材料とすることを目的とするものであったが、正史が『大日本史』を尊重して南北朝合一以後を対象とする方針であったにもかかわらず、『史料稿本』は『塙史料』が中絶した万寿2年(1025)以後を対象とした。
 初期の『史料稿本』は浄書され、巻付けが付けられ、半年ごとに上進されていたが、1882年に『編年史』の編纂を開始したため、『史料稿本』は編成次第直に『編年史』編纂の用に供され、浄書・上進をとどめられることになった。またそれまでに浄書された分についても、その後解体重修されたものが多く、現在書庫に保管されている『史料稿本』の大部分が切り貼りの形態である。ただし応永22年~正長元年の稿本が浄書の原形をとどめており、また保元元年分については、1876年に編成された浄書本3冊のうち2冊が残され、それと重複して別に稿本11冊がつくられている(1891年に田中義成が8冊を編成しているが、その後さらに増補されたものと思われる)。
 1893年に正史の編纂は中止されたが、2年後に『史料稿本』の完成を主旨として事業が再編された。1900年『史料稿本』をもととして『大日本編年史料』の出版が企画された(これが『大日本史料』として実現する)時に作成された「史料編纂事業予算ノ参考書」には、修史局以来の実績として『編年史料』6,647冊があげられている。6,647冊の内訳は修史館・修史局編纂の分が3,629冊、大学移管後1893年事業停止までの分が1,296冊、1895年史料編纂掛設置以後の分が1,722冊である(『史料編纂始末』明治33年4月1日条)。
 現在、書庫に架蔵されている稿本は5,617冊であるが、これは基本的に『大日本史料』未刊分に相当する。